お知らせ


(2022.12.24)県小中高生新聞感想文コンクール優秀賞

 第14回群馬県小中高生新聞感想文コンクール高校の部において、小島芭月さんが優秀賞を獲得しました。

 

小島さんコメント

 この度は優秀賞を受賞することができとても嬉しく思います。この賞は日頃丁寧に御指導くださる常磐高校の先生方のお陰で頂いたものだと思っております。これからもより一層自分らしく邁進します。

 

全文

 八月の早朝、いつものように朝刊をパラパラとめくっていた時、「ドローンで過疎地配送・山梨で実施、全国拡大狙う」という見出しに目が留まった。それと同時に、写っていたドローンの大きさに驚いた。漠然とドローン=空撮に使う小型なタイプと思い込んでいたからだ。記事には、東京都にあるベンチャー企業がドローンを使った過疎地配送サービスの全国拡大を目指している、という内容が書かれていた。山梨県小菅村で行われた試みでは、注文を受けてから最短三十分で日用品や食品が配送された。システムはこうだ。まず住民がスマートフォンのアプリで購入したい品物を注文し、代金を支払う。次に、配送拠点に用意されていた約三百点の商品の中から社員が注文品を選別し、ドローンに載せて村内五ヶ所の着陸地点まで自動飛行させる。最後は、着陸地点で待機していた別の社員がドローンから注文品を取り出し、受け取りに来た住民に直接手渡しするという仕組みらしい。村内にはコンビニエンスストアはおろか、スーパーマーケットも無い。周囲は勾配のきつい山道が多いということもあり、高齢の住民はさぞ不便な思いをしていただろうと想像する。このドローン配送は、北海道や福井県でも実証実験が始められており、今秋以降にサービスを開始する予定のほか、交通の便が悪いなど物流に課題を持つ地域での展開も予定しているという。私の祖母は、先月運転免許証を返納した。街中に住んでいるものの、バスや電車といった公共交通機関を利用するには、一キロ以上の道のりを歩かなければならず、日常の買い物にも不便を感じると嘆いていた。ドローンでの配送は、過疎地住民や祖母のような交通弱者を手助けするだけでなく、配送ドライバーの不足問題も解決してくれるのだ。また、交通渋滞とは無縁なことから、遅延なく最速で商品を受け取ることが可能で、緊急時にも安心して確実に必要な物を手にすることができる。今後は、より身近なサービスとして、日本中に広く普及し定着していくのではないだろうか。
 現在ドローンは物流システムを担う存在になっているが、農業の分野においても農薬散布などで、既に活用されている。今後は多方面に活躍の場を広げて行くのではないかと思う。例えば、災害時の捜索活動や救助活動などである。テレビのドキュメンタリー番組で救助の様子を目にしたことがあるが、まさに命がけの仕事だ。救助隊員は、常に死と隣り合わせで人命救助に当たっているのだ。こういった危険を伴う活動にドローンを有効活用することができれば、隊員の事故や死亡リスクまでも軽減させられるのではないだろうか。また、気象についての活用は大変興味深いものだった。以前父から、ドローンを使ってドバイの砂漠に雨を降らせることに成功した研究チームがいる、という話を聞いたことがあった。そんなことが? と半信半疑だったが、ネットニュースの記事を読んだところ、どうやら事実のようである。これが真実なら、ドローンを使えば世界に広がる干ばつなど容易に潤すことができるはず。人が近づけない広範囲の森林火災でさえも、延焼を食い止め鎮火させることができるのではないだろうか。ドローンを用いて行う活動は利点が多い反面問題もあるだろう。生態系を破壊する行為は決して許されるものではないし、個人的な利益を追求してしまえば、本来の目的とは離れた残念な結果しか残らないだろう。
 もしかしたら、「誰かの為になること」を懸命に探して生きることは、新しい日本を創る原動力となるのではないかと思う。誰にも大切な人がいる。その人の為にできる事を考え、行動できる私たちは、日本の明日をより素晴らしいものにできるだろう。